2014/07/05

生きることとは 命とは

鯨魚取り 海や死にする山や死にする 死ぬれこそ海は潮干て山は枯れすれ




漁師たちよ 海は死ぬのだろうか 山は死んでしまうのだろうか
死ぬよ だから海は潮が引いていくじゃないか 山は枯れていくじゃないか

海は潮が引いていくから 死ぬと言っても良いが それは永遠の死ではない
やがて満ちてくる
山も枯れてゆくが よく春には必ず緑に満ちる
去年の葉とは全く別の個体だけれども

これを命が蘇ったと考えて良いのだと思えば
私の命は私の人生で終わり
しかし 私なりに細やかでも小さなバトンを作り上げることができ
受け継いできたものを その中に詰め込み 次の誰かに渡すことができたなら
私が死んでもバトンは残って行く 私はバトンが残っている限り 死なない
生きるということは そういうことなんだよと この歌が教えてくれるよう

出典:
(『万葉集』16-3852 詠み人知らず)
( FESTIVAL HALL 200 さだまさし)




生きることとは 命とは
まるで海の潮の満ち干きのごとく
私の生きた証を 次の世代に受け渡すことなり



SONY α7, Carl Zeiss FE 55mm F1.8
KODAK TRI-X simulation

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